地震や洪水といった自然災害が多発する日本。
これからの季節、最も懸念されるのは大雨による洪水、台風による災害ではないでしょうか。
今回は、停電が増えるこれからに向けて停電対策の蓄電池を考えてみます。
停電になったら蓄電池でどのくらい生活をカバーできるのか?
地震や台風で電柱が倒れたりして、停電が起きると家電製品は使えなくなります。
太陽光発電を設置している家でも、使える電気は約1.5kW制限がありしかも太陽が照っている間でないと使えないという制約もあります。
そんな中、蓄電池があればいつでも家電製品を使えるようにすることが出来ます。
ただし、注意しなければいけないのは蓄電池も蓄電している容量以上は電気を使えないということ。また、出力以上の家電を同時に使うこともできません。
ポイントは、「蓄電池の容量と出力」と「家電製品の消費電力」になります。
では、一般的な家電の消費電力はどれくらいでしょうか。
主要な家電の消費電力表
A・・・ないと不便
B・・・できれば使いたい
C・・・停電時は我慢
そして蓄電池の容量ですが、現在販売されている住宅用のものは、4~15kWくらいです。
停電時の出力は、1.5kWから高いもので5.9kWとなります。
この出力が一度に使える家電の消費電力量となります。
メーカーや機種によって異なりますので詳しくは購入されている家電の説明書等を参照ください。
災害シミュレーション
では、イメージできるよう実際に想定をしてみます。
数値は機器によって違いがあるので平均的な値を使って計算します。
※復旧まで半日くらいとアナウンスあり
この場合、復旧までに一晩過ごさなければいけません。
幸いなことに、停電発生箇所が特定できており、復旧に半日くらいかかるとアナウンスされていたとします。
まず、停電という緊急事態なので家族集まってリビングで過ごすこととします。
寝るまでの時間は電灯は必要なので、11時に寝るとして5時~11時=50Whx6時間=300Wが必要です。
他にも、情報のライフラインとして、旦那様と奥様の携帯電話(充電切れ)10Whx2台=20Wは必要です。
また常時稼働している冷蔵庫がありますので100Whx12時間=1200W
晩御飯は、緊急時なので冷凍のご飯と納豆と昨晩の残り物、あとはインスタントスープとします。
電子レンジを10分使用したとして、600Whの6分の1で100W
電気ポットでお湯を沸かし5分で沸いたとして1200Wの12分の1で100W
料理に合計200W使用したとします。
ここまでの合計使用電力量は1,720W
生活をする上での最低ラインです。
暑さがひどく寝るまでの間、エアコンもつけます。
これでほとんど普段の生活と変わりません。
テレビ:7~11時 350Whx4時間=1400W
エアコン:7~11時 1500Whx4時間=6000kW
これで合計は9,120Wです。
4kWの蓄電池では、エアコンは諦めなければいけません。
エアコンをつける場合は10kW近い蓄電容量の蓄電池が必要だからです。
太陽電池がついていて、翌日が晴天であれば使用した電気は補充されますし、昼間は他の家電を使用することができます。
停電が起こった際に、蓄電池があればどんな生活が送れるか少しイメージ頂けたかと思います。
最後に、今回の想定では「復旧の目途がたっている」というところがポイントになります。
復旧の目途がたっていない場合には、もちろん贅沢はできませんので極力省エネをして過ごさなければいけません。
災害時、蓄電池を使う際に見落としがちなところ
蓄電池を設置したとしても、停電時には 待機電力 は極力0にもっていきたいということです。
普段は、毎回抜き挿しするのが面倒だし起動に時間がかかるので挿したままにしてあるコンセントですが、蓄電池を設置された方は停電時、冷蔵庫以外のすべてのコンセントを抜くことをおススメします。
特に全負荷の場合、ウォッシュレットなどを忘れがちです。
便座はほっておいても電気を使うので必ず抜いておいてください。
また、 オール電化 にしているご家庭は、万が一のためにつないでおいたエコキュートが予想外に作動しないようにしておくことも重要です。
近年の災害による停電の被害状況
発生年月 地域 災害 停電戸数 復旧までの日数※
2016年4月 熊本県 地震 48万戸 3日
2018年9月 近畿地方 台風 224万戸 16日
2018年9月 北海道 地震 295万戸 7日
2018年10月 東海地方 台風 119万戸 7日
2019年9月 千葉県 台風 93万戸 30日以上
※主な被害地域の復旧までに要した日数(一部地域を除く)
いつ何が起きるのか予測が難しいのが災害です。
何かがある前に、いざという時のために、一度考えてみるのはいかがでしょうか。